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橋脚の新設工事に伴う既設橋脚への影響確認

■ 対象工事 ■
 工事名:神戸新交通ポートアイランド線延伸事業下部工築造工事その1
 発注者:神戸市 企画調整局
 施工者:奥村組土木興業株式会社
 対象構造物:P115橋脚〜P130橋脚およびP132橋脚
 計測期間:平成14年8月〜平成15年7月
■ 計測目的 ■
 本工事は、供用中の既設橋脚に近接して新たな橋脚(基礎工は場所打ち杭)を構築するものであった。  新設橋脚と既設橋脚の離隔が1.0m程度しかなく、基礎工施工時や構造物掘削時に既設橋脚への悪影響が懸念された。  そこで、既設橋脚の傾斜を計測し、その結果を確認しながら施工を行う必要があった。
■ 計測概要 ■
 計測は、事前計測と本計測の2段階で行った。事前計測では、外気温の変化、車両の通過、風等による自然変動を把握し、本計測における管理値決定へ反映させた。既設橋脚には鋼製橋脚とRC橋脚があったが、鋼製橋脚部は鋼製床版であるため日射による温度変化の影響を大きく受け、傾斜が生じやすいことが予想された。  本計測では、事前計測の結果を基に決定した管理値により、構造物の挙動を評価した。計測頻度は1回/1時間とし、事前計測は1ヶ月、本計測は11ヶ月間行った。
■ 計測システム ■
 本工事は近接施工であり、構造物の変状をリアルタイムに把握する必要があったこと、異常時には警報を現場関係者に通報する必要があったことから、自動計測を行うことにした。
■ 計測結果 ■
【橋軸方向】
 本計測における橋脚の傾斜は温度変化によるものが主体であり、杭施工や掘削の影響はみられなかった。
 最も傾斜が大きかったP117橋脚(鋼製橋脚)での傾斜量は5.9分で管理値である60分(1次管理値42分)を十分満足した。
【橋軸直角方向】
 工事による影響が最も大きかったP127橋脚での傾斜量(掘削側)は、それぞれ杭施工時に0.9分、掘削時に0.8分および掘削後に0.6分であり、最大傾斜量は2.3分で管理値を満足した。
 傾斜量の経時変化を見ても急激な変動はなく、施工開始から完了まで終始安定していた。
■ 考 察 ■
 計測を行った結果、以下の知見が得られた。
  ・傾斜量のほとんどが、温度変化等の自然変動量であった。
  ・気温による影響は、RC床版部よりも鋼製橋脚のほうが大きかった。
  ・自動計測を行い、リアルタイムの監視が可能であった。