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コンクリート構造物の温度計測事例

■ 対象工事 ■
 工事名:五條道路西岡高架橋岡南下部工事
 発注者:国土交通省 近畿地方整備局
 施工者:奥村組土木興業株式会社
 対象構造物:P41橋脚
 計測期間:平成15年2月〜8月
■ 計測目的 ■
 当工事で施工したP41橋脚は躯体厚さが3.1mあり、マスコンクリートとしての取り扱いが必要であること、打設期間が2月〜8月であることなどから温度ひび割れが懸念された。
 3次元温度応力解析の結果を基に温度ひび割れ制御対策として保温養生を採用したが、示方書で示されている条件が実際とは異なるため、コンクリートの温度計測によって効果の確認が必要であった。
■ 予測解析 ■
 解析の結果、ひび割れの発生し易い箇所として、フーチングは側面、柱については側面の中央付近、梁は側面の中央付近と天端付近であった。
■ 計測概要 ■
 温度計測は、熱電対を用いて打設直後から開始し15分ごとに材令28日まで行った。
■ 計測結果 ■
 中心部での計測値は、解析値よりも3.3℃低かったが、側面は10℃程度の差があり、解析で用いた熱伝達率についての再検討が必要であった。
  計測値 解析値
中心 55.2 58.5  3.3
北面 33.4 44.2 -10.8
東面 32.9 44.4 -11.5
天端 26.4 42.6 -16.2
底面 38.6 57.6 -19.0
■ 事後解析 ■
 計測した温度データを基に解析を行った結果、ひび割れ指数は右図のように改善され、採用した保温養生の効果が高かったと判断できる。
 しかし、ひび割れ指数が1.0以下のフーチングには、幅が0.04〜0.15mmのひび割れが生じた。
■ 考 察 ■
 温度計測を行ったことにより得られた知見を以下に示す。
 解析条件について
 ・側面の温度は、中心からの距離で異なるが、方角による差はほとんどない。
 ・地盤は長期間保温されるため、断面厚の大きい部材では温度ひび割れの発生の危険性が高くなる。
 ・夏季は日差しが強いため、コンクリート表面付近の温度は外気温よりも高い。
 ひび割れ制御対策の効果について
 ・保温養生は、シートを足場ではなく型枠に直接巻きつけるほうが効果が大きい。
 ・天端に養生マットを敷き、養生シートで覆うと湛水養生と同程度の効果がみられる。